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車いす対応、玄関スロープのDIYとプロ施工費用

Wheelchair accessible entrance ramp DIY and professional construction costs
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高齢化社会の進展やバリアフリー意識の高まりにより、「玄関スロープ」を導入する住宅が増えています。特に車いすを使用される方にとって、段差のある玄関は日々の生活の大きな障害になります。筆者はリフォーム会社で10年以上、バリアフリー工事に携わってきましたが、「玄関スロープを付けたい」という相談は年々増えています。

この記事では、車いす対応の玄関スロープについて、DIYでの対応方法とプロ施工との違い、費用、注意点、実際の施工事例を交えてご紹介します。


■ なぜ玄関スロープが必要なのか?

玄関に段差があると、車いすや歩行器を使う方にとっては「家に入れない」「外出が困難」といった深刻な問題が発生します。特に木造住宅では、玄関ポーチが高い位置に設計されていることが多く、段差が30cm〜50cm以上あるケースも珍しくありません。

スロープを設けることで、

  • 車いす使用者が自力で出入りできる
  • 介助者の負担軽減
  • 将来的な介護への備え

といった大きなメリットがあります。


■ スロープ設置の基本設計:勾配の考え方

車いすが安全に登り降りできるためには、スロープの「勾配(傾斜)」設計が非常に重要です。

一般的な推奨勾配は以下の通りです。

用途勾配高さ30cmの場合の長さ
公共施設基準1/12360cm(3.6m)
最低基準(自宅用)1/8240cm(2.4m)

※勾配が急すぎると車いすが滑りやすく危険になります。


■ DIYでスロープを作る方法と注意点

DIYでスロープを作る際は、以下の点に注意が必要です。

【材料選び】
  • 屋外用の耐水合板、すのこ材、ノンスリップゴムなど
  • 滑り止め加工を施すことが必須
【構造】
  • コンクリートブロックやウッドフレームを使用して傾斜を支える
  • ガタつきがないように設置
【勾配の確保】
  • 可能であれば1/12程度の勾配を目指す
  • 雨天時や雪の日も想定した設計を
【安全対策】
  • 両サイドに手すりを付けると安全性が向上
  • 夜間照明や段差マークの設置もおすすめ
【DIYのメリット・デメリット】
メリットデメリット
費用が抑えられる(数万円〜)耐久性・安全性に不安が残る
カスタマイズしやすい雨風に弱く、定期メンテが必要
短期間で作れる法令や介護保険の対象外になる場合も

■ プロに依頼する場合の施工内容と費用相場

プロによる施工では、以下のような工法と設備が選ばれます。

【主な施工法】
  1. コンクリート造りスロープ
  • 頑丈で長持ち
  • メンテナンスも少なく済む
  1. アルミ製・樹脂製のユニットスロープ
  • 組立・撤去が簡単
  • 軽量で見た目もスマート
  1. 木製デッキ風スロープ
  • 住宅の外観に合わせやすい
  • 定期的な防腐処理が必要
【費用相場】
工法費用目安(高さ30cm)
コンクリート造20万〜50万円程度
アルミユニット10万〜25万円程度
木製15万〜35万円程度

※勾配の長さ、手すり設置、照明などのオプションにより変動します。


■ 介護保険制度と補助金の活用

介護認定を受けている方は、「住宅改修費用助成制度」を活用できる場合があります。最大20万円までの工事が対象となり、自己負担は1〜3割で済むことが多いです。

条件や申請手続きには以下のようなステップがあります。

  1. ケアマネジャーに相談
  2. 市区町村へ申請
  3. 承認後に着工(事前着工はNG)
  4. 完了報告・領収書の提出

※筆者の現場経験では、実際にコンクリートスロープ工事に対して17万円の助成が下りた例もあります。


■ 実際の施工事例

【事例①】築35年 木造住宅(神奈川県)
  • 対象者:要介護2の方
  • 工法:コンクリートスロープ+手すり付き
  • 高さ:玄関ポーチ35cm、スロープ長さ約4.2m
  • 費用:42万円(介護保険で28万円助成)
  • 工期:5日
【事例②】築20年 木造住宅(大阪府)
  • 対象者:車いす利用のご主人
  • 工法:アルミユニット設置
  • スロープ長さ:約2.4m
  • 費用:18万円(自己負担)
  • 工期:1日(即日設置)
【事例③】築40年 古民家(新潟県)
  • 対象者:高齢の母親、将来の介護備え
  • 工法:木製デッキ風+手すり
  • 費用:33万円
  • 工期:4日

■ 業者選びのポイント

  • バリアフリー施工の実績が豊富か
  • 介護保険対応の手続き代行に慣れているか
  • 勾配計算・安全設計をしっかり行ってくれるか

筆者の経験では、安さだけで業者を選んだ結果、傾斜がきつく使いづらいスロープになってしまった事例もありました。設計力と経験のある業者を選ぶことが何より重要です。


まとめ

車いす対応の玄関スロープは、単なる段差解消ではなく「暮らしの自立と安全を支える設備」です。DIYでも対応可能ですが、長期的な安心を考えるとプロ施工が推奨されます。

特に介護認定を受けている方は、補助金制度の活用によりコストを大幅に抑えられるため、まずはケアマネジャーや施工業者に相談してみるのがおすすめです。

一括見積もりサービスを活用することで、最適な業者を比較・選定しやすくなります。

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