リフォーム工事は新築工事よりも手間暇がかかる難しい作業なので、基本的には値引き交渉ができないことが多いです。
しかし、普段は値引きをしないリフォーム会社でも、特定の条件を満たせば値引き交渉に応じてくれることがあります。
リフォームは金額が大きい分、値引きしてもらうことが出来れば非常にありがたいですよね。
そこで、この記事では『リフォーム費用を値引きしてもらうためのコツ』と『値引きに関する注意点』について解説していきます。
値引き交渉をする際の注意点
実際に値引き交渉を進める前に、まずは注意点について理解をしなければなりません。
①リフォーム業界の値下げスキームに注意
リフォーム会社の口コミを見ていると「250万円の見積もりが、交渉したら150万円に下がりました」といった内容をしばしば見ることがあります。
しかし、常識的に考えて、250万円規模のリフォーム工事で100万円も値引ができる訳がありません。
リフォーム業界で横行しているのが、はじめに高い見積金額を提示しておいて、契約直前で大きく値引をするというスキームです。
大抵の場合、「○○様は特別なお客様なので、今回は頑張ってお値引きさせて頂きました」と言います。
営業マンによっては、「今から上司に電話でかけあってみます」と言って、お客様の目の前で会社と値引交渉をしているように演出をする『劇場型タイプ』の人もいます。
(この場合、基本は出来レースです。最終的な落着金額は初めから決まっており、お客様の顔色をうかがいなから、できるだけ高めの金額で契約ができるよう話を進めてきます。)
リフォームにおいて、契約直前での「大幅値引き」や「値引の演出」は危険信号です。ぼったくり会社の可能性があるので、十分にご注意ください。
②しつこい値引き交渉は厳禁
リフォームの値引き交渉と家電量販店での値引き交渉は全く意味が違います。
家電量販店で値引きしてもらう場合は、購入することがゴールです。
一方で、リフォームの場合は購入(契約)がリフォームのスタートです。
しつこい値下げ交渉をしてしまうと、今後の関係性に影響が出てしまいます。
リフォーム会社とはリフォーム後も末永くお付き合いしていくことになります。
無理な値下げ交渉をして「嫌な客だ」と思われないように注意をしましょう。
③リフォームの質を落とされるかもしれない
リフォーム費用を大幅に値引きしてもらった場合、見積内容自体を変更されている可能性があります。
値引き前の見積内容から減額されているポイントがあれば、注意して確認するようにしましょう。
一番分かりやすいのは材料費です。フローリング材やクロスなど、低ランクの材料に変更されている可能性があります。
また、細かいオプション内容が外されていることも考えられます。
階段手摺、浴室の乾燥・暖房機、キッチンの食洗器など、当初のプランから削除されている項目が無いか、詳しくチェックしましょう。
そして、工事費も重要なポイントです。
もし当初の見積書から施工費や人件費の項目が減額されている場合、職人に支払われる工賃が減らされることを意味します。
基本的に腕の良い職人ほど工賃は高くなります。十分な工賃が支払われない現場では、職人はへそを曲げてしまい、下っ端の新人作業員だけで工事をさせることがあります。
また、そもそも発注先を低品質の格安業者に変更されてしまう可能性もあります。
工事費はリフォームの仕上がりに関わる重要な部分です。当初の見積書から減額されている工事費がないか、しっかり確認しましょう。
さて、これらの注意点を踏まえたうえで、リフォーム費用を上手に値下げしてもらうポイントについて解説していきます。
リフォーム費用を値引きしてもらうコツ
リフォーム費用を値引きしてもらうコツは、大きく分けて次の6項目+1項目です。
⓪複数の業者から相見積もりを取る
複数の業者から相見積もりをとることは、リフォームを成功させるうえでの必須条件と言っても過言ではないでしょう。
たとえ小規模なリフォームだとしても、複数の会社と競合させることが値引き交渉の基本です。
ただし、複数のリフォーム会社に声をかけるにしても、リフォーム会社を自力で探すのはかなり大変です。
また、リフォーム会社を探すことが出来たとしても、それが信頼のできる優良会社かどうかを判別するのは非常に難しいです。
そんな時に頼りになるのが一括見積もり比較サイトです。一括見積もりサイトには、以下のようなメリットがあります。
- 時間と手間を節約できる
- 厳選された優良会社を紹介してくれる
- 自分たちに適したリフォーム会社を見つけることができる
見積もりサイトの選び方について詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照下さい。
【参考】:【最新版】リフォーム一括見積もり比較サイトのおすすめランキング!
\\リフォームの一括見積はこちら//
①まずは普通に値引きをお願いしてみる
まずはダメ元で値切きができるか聞いてみましょう。
タイミングとしては、各社の見積もりが出そろった頃合いが良いでしょう。
リフォーム会社としても、値引きの話が来るだろうと心得ています。
他社の見積もり金額や、その他諸々の状況次第では、簡単に値下げ交渉に応じてくれることもあります。
まずは軽い気持ちで値下げをお願いしてみるのもアリです。
②着工時期をリフォーム会社の都合に合わせる
値下げ交渉をする際の一番のポイントは、リフォーム会社側のメリットを提示してあげることです。
営業マンとしても、会社側のメリットが無ければ上司に対して値下げの許可をもらうことは出来ません。
そこで一番に挙がってくるポイントが、着工時期をリフォーム会社の都合に合わせてあげることです。
こちらのイラストは、リフォーム会社がかかえている大工さんの施工スケジュールを表したイメージ図です。
リフォーム会社では、大工さんの仕事が無くならないように、出来るだけシームレスに施工現場を用意しています。
ところが、着工時期はお客様の要望を優先しなければならない為、図の大工Cさんのように、空白期間が生まれてしまうことがあります。
この場合、リフォーム会社としては、何としても空白期間を埋めたいと考えるでしょう。そのため、施工時期をリフォーム会社の都合に合わせてあげるだけで、値下げをしてくれることがあります。
ただし、この手が使えるのは比較的大きなリフォーム工事に限ります。
数日で終わるような小規模工事であれば、リフォーム会社もスケジュール調整に困りません。目安としては工期2週間以上のリフォームならば交渉の余地有りです。
リフォーム会社の都合に合わせて施工時期を調整してあげられる場合は、リフォーム会社に提案してみてはいかがでしょうか。
③決算月に契約する
リフォームに限らず様々な業界に言えることですが、何事でも決算月は最も値引き交渉がしやすい時期です。
特に大企業では、その年度の売上げを大きく見せたいという気持ちから、決算月には値下げをしてでもたくさん契約をしたいという心理が働きます。
量販店が決算にセールやバーゲンを実施するのと原理は同じです。
一般的なリフォーム会社では、決算月が3月、中間決算が9月となるので、その時期に合わせて契約をすれば、値引きをしてもらえる可能性が高まります。
ただし、そのためには事前のスケジュール調整が必要です。
特にリノベーションなどの大きな工事の場合、建物調査から契約までに2か月前後の時間を要します。
(建物調査)→(要望ヒアリング)→(設計・見積作成)→(打合せ)→(図面・見積書の修正)→(再打合せ)→(契約)
もし3月中旬での契約を目指すのであれば、1月初旬には一括見積サイトを使って見積依頼をするのが良いでしょう。
なお、決算月で値引きをするのは大企業だけです。
小規模なリフォーム会社では、契約月が3月になろうが4月になろうが、大勢に影響ありません。
また、最近では大企業でも決算月の値引きをしない会社も多いので、決算月は気にし過ぎない方が良いかもしれません。
基本的には思い立ったが吉日、リフォームをしたいと思ったときにすぐに行動する方が良いでしょう。
④完成現場見学会の会場として提供する
リフォーム会社では、完成した現場の見学会を実施していることがあります。
リフォーム会社にとっては、完成現場見学会は自社のリフォーム実績をアピールする最大のチャンスです。
そのため、リフォーム会社によっては現場見学会の会場として提供することで、値引きをしてくれる可能性があります。
ただし、この手が使えるのは見栄えのするリフォーム現場だけです。
リノベーション物件であれば値引き交渉の材料になりますが、部分的な小規模リフォームでは交渉にならないので、予め理解しておきましょう。
⑤余っている建材・設備を使ってもらう
リフォーム商材を取扱う建材業者では、使いどころを失った建材や水回り設備が倉庫に眠っている場合があります。例えば以下のようなケースです。
- 誤発注をしてしまった商品
- キャンセルされた品
- ショールーム展示品 などなど
このようなケースはかなり稀ですが、もし商品が運よく残っていれば、値引き交渉のチャンスです。
ただし、この手が使えるのは小規模のリフォーム会社や工務店だけです。
大手のリフォーム会社では建材や水回り設備の標準仕様があるため、建材業者の倉庫に余っている商品があったとしても、基本的には標準仕様の商品を使用します。
一方で、小規模のリフォーム会社や工務店では、大手リフォーム会社のような標準仕様がありません。そのため、余っている商材があれば、ケースバイケースで臨機応変に対応することが出来ます。
⑥建材・設備を一つのメーカーで統一する
先ほども少し触れましたが、規模の大きいリフォーム会社には、水回り設備や建材の標準仕様があります。
大抵は複数のメーカーと標準仕様の契約をしており、Panasonic、LIXIL、TOTO、クリナップなどの商品を自由に選択することが多いです。
しかし、一部の建材・設備メーカーでは
水回り設備4点セット(浴室・キッチン・洗面化粧台・トイレ)と各種建材を全て当社の商品で揃えてくれたら、発注金額から〇%割引します!
というキャンペーンを開催していることがあります。
例えば、発注金額から10%分が割引きになるキャンペーンが実施されている場合、お客様に5%分を還元し、残りの5%分をリフォーム会社の利益にすれば、お客様とリフォーム会社の双方にメリットがある訳です。
そのため、色々なメーカーの商品を選べるリフォーム会社でも、「メーカーを統一するから値引して欲しい」と言えば、値段交渉ができることがあります。
メーカーとリフォーム会社の間では、この他にも様々なキャンペーンが実施されていることがあります。
使えるキャンペーンがないか、営業マンに確認してみるのが良いでしょう。
まとめ
- まずは普通に値引きをお願いしてみる
- 着工時期をリフォーム会社の都合に合わせる
- 決算月に契約する
- 完成現場見学会の会場として提供する
- 余っている建材・設備を使ってもらう
- 建材・設備を一つのメーカーで統一する
値引き交渉をする際には、リフォーム会社のメリットになるような条件を提示してあげることが大切ですが、まずは軽い気持ちで値引き可能か聞いてみても良いでしょう。
ただし、しつこい値引き交渉でリフォーム会社に嫌われないようにご注意ください。
また、上記の6項目は、どれも契約直前での交渉術です。
これから見積もりを依頼する方にとって一番重要なポイントは、⓪番の「複数の業者から相見積もりを取ること」です。
たとえ小規模のリフォームだとしても、複数の会社を競合させることが、リフォーム費用を抑えるうえで一番大切なことです。
\\リフォームの一括見積はこちら//
見積もりを取るときの注意点
リフォームで失敗しないために一番重要なポイントが、複数の会社に相見積もりを取ることです。
しかし、いざ相見積もりを取ろうとしても、次にような疑問を感じる人が多いのではないでしょうか。
複数の会社に見積もりを依頼することが重要だという事は分かったけど、肝心のリフォーム会社はどうやって探せばいいの?
複数のリフォーム会社に声をかけるにしても、自力で探すのはかなり大変です。また、気になるリフォーム会社を見つけても、それが信頼のできる優良会社かどうかを判別するのは非常に難しいです。
そんな時に頼りになるのが一括見積もり比較サイトです。一括見積もりサイトには、以下のようなメリットがあります。
- 時間と手間を節約できる
- 厳選された優良会社を紹介してくれる
- 自分たちに適したリフォーム会社を見つけることができる
見積もりサイトの選び方について詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照下さい。
上記記事でも詳しく解説していますが、リフォームの内容によって、おすすめの見積もりサイトも違います。
各見積もりサイトの特徴は下記の通りです。
- 登録業者数No.1のリフォーム見積もりサイト。(約1500社)
- リフォーム業者はリショップナビが選出してくれる。(最大5社)
- ただし、大型リフォームに対応できないリフォーム業者も多く含まれているため、比較的小規模なリフォームに向いているサイト。
- 目安としては予算150万円以下くらいなら、リショップナビが最適。
- 登録業者数はリショップナビに次いで業界2位。(約1200社)
- 業者への審査と指導・育成に定業があり大型リフォームに対応できる業者が多い。
- リフォーム業者は自分たちで選ぶことができる。(最大8社)
- おおむね150万円以上くらいのリフォームなら、ホームプロが最適。
- 登録業者数は約460社とあまり多くないが、大型リフォームにも対応できる業者が多い。
- タウンライフリフォーム側でリフォーム業者を選出してくれるので、自分で業者を選ぶことができない人にはおすすめのサイト。
■ヌリカエ
- 塗装リフォーム専門の見積もりサイト。
- ヌリカエの他にも塗装リフォーム専門の見積もりサイトはあるが、登録業者数や施工実績などにおいて圧倒的No.1なので、塗装リフォームならヌリカエを利用するのが最適。
- 塗装以外のリフォームも検討している人は、リショップナビやホームプロなどの総合リフォーム向けの見積もりサイトを利用した方がよい。
- 登録業者数No.1のリフォーム見積もりサイト。(約1500社)
- リフォーム業者はリショップナビが選出してくれる。(最大5社)
- ただし、大型リフォームに対応できないリフォーム業者も多く含まれているため、比較的小規模なリフォームに向いているサイト。
- 目安としては予算150万円以下くらいなら、リショップナビが最適。
- 登録業者数はリショップナビに次いで業界2位。(約1200社)
- 業者への審査と指導・育成に定業があり大型リフォームに対応できる業者が多い。
- リフォーム業者は自分たちで選ぶことができる。(最大8社)
- おおむね150万円以上くらいのリフォームなら、ホームプロが最適。
- 登録業者数は約460社とあまり多くないが、大型リフォームにも対応できる業者が多い。
- タウンライフリフォーム側でリフォーム業者を選出してくれるので、自分で業者を選ぶことができない人にはおすすめのサイト。
■ヌリカエ
- 塗装リフォーム専門の見積もりサイト。
- ヌリカエの他にも塗装リフォーム専門の見積もりサイトはあるが、登録業者数や施工実績などにおいて圧倒的No.1なので、塗装リフォームならヌリカエを利用するのが最適。
- 塗装以外のリフォームも検討している人は、リショップナビやホームプロなどの総合リフォーム向けの見積もりサイトを利用した方がよい。
そして、業態別のリフォーム得意分野と合わせて、リフォーム内容ごとにおすすめの見積もりサイトをまとめたものが下表です。
ハウス メーカー | 工務店 | リフォーム 専門店 | 家電 量販店 | ホーム センター | 職人 直契約 | おすすめの 一括見積もりサイト | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クロス 張り替え | リショップナビ | ||||||
窓の交換 | リショップナビ | ||||||
外壁塗装 | ヌリカエ | ||||||
トイレ 洗面 | リショップナビ | ||||||
ユニット バス | リショップナビ | ||||||
キッチン | リショップナビ | ||||||
水まわり 4点セット | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
間取り 変更 | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
耐震化 | ホームプロ or タウンライフリフォーム | ||||||
リノベ ーション | ホームプロ or タウンライフリフォーム |
ハウス メーカー | 工務店 | リフォーム 専門店 | 家電 量販店 | ホーム センター | 職人 直契約 | おすすめの 一括見積もりサイト | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クロス 張り替え | リショップナビ | ||||||
窓の交換 | リショップナビ | ||||||
外壁塗装 | ヌリカエ | ||||||
トイレ 洗面 | リショップナビ | ||||||
ユニット バス | リショップナビ | ||||||
キッチン | リショップナビ | ||||||
水まわり 4点セット | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
間取り 変更 | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
耐震化 | ホームプロ or タウンライフリフォーム | ||||||
リノベ ーション | ホームプロ or タウンライフリフォーム |
本気でリフォームを検討されているのであれば、これらの見積もりサイトを上手に利用して、悔いのないリフォーム計画を立てていきましょう。
最後に
リフォーム成功のカギを握るのは業者選びです。
しかし、リフォーム業界には悪質な業者が多数存在しており、不当に高い金額を支払ってしまったり、品質の低い工事をされたりと、各地でトラブルが多発しています。
そのようなリスクを避けるためにも、リフォーム初心者の方は複数社に相見積もりを取ることが重要です。
「残念なリフォームで終わらせない」そして「大切なお金を失わない」ためにも、見積もりサイトを利用して、広い視野でリフォームを検討していきましょう。
みなさんのリフォームがよりよいものになるように祈っています!