シロアリ被害のリスク、見積もり前に知っておきたいポイント

シロアリは、木造住宅にとって「静かなる破壊者」とも呼ばれる存在です。目に見える被害が出たときには、すでに建物の基礎や柱が深刻な損傷を受けていることも少なくありません。リフォームを検討する際には、「今、シロアリ被害がないか」、また「再発リスクをどう防ぐか」を事前に把握しておくことが非常に重要です。

この記事では、木造住宅リフォームの現場で多数のシロアリ被害を見てきた筆者が、見積もり前に知っておくべきポイントを詳しく解説します。

■ シロアリの被害が恐ろしい理由

シロアリの厄介さは、被害が目に見える頃には深刻化している点にあります。

柱の中がスカスカになり、耐震性能が大きく低下
床下から水回りまで被害が広がるケースも
放置しているとリフォームでは対応できず、建て替えレベルに発展することも

特に梅雨〜初夏にかけては、羽アリの発生で気づくケースが多いですが、気づいた時には「手遅れ一歩手前」ということも多々あります。

■ 被害が出やすい住宅の特徴

築15年以上で床下点検を受けたことがない
水回り（風呂・洗面・キッチン）の下地にカビ・湿気がある
基礎の通気口が塞がれている or 通風が悪い
地面からの距離が近いウッドデッキ・縁側がある
古い木材を使った倉庫や物置が近くにある

筆者が過去に対応した現場でも、雨漏り＋床下湿気＋外部の木材ゴミの組み合わせでシロアリが発生し、床が抜ける寸前になっていたケースがありました。

■ 見積もり前に確認すべきチェックポイント

床下点検の実施
- プロによる床下チェックで、被害の有無を確認（無料で実施する業者も）
- 木材の腐食・蟻道（ぎどう）・羽アリの痕跡を重点的にチェック
シロアリの種類を特定する
- ヤマトシロアリ：床下や水回りに多い（日本で最も多い）
- イエシロアリ：被害範囲が広く、集団で構造全体を破壊
発生源を断つ環境改善
- 換気・除湿・水漏れ修繕を優先的に検討
- 通気性の悪い押入れ、浴室下なども調査対象
既存の防蟻処理履歴の確認
- 過去の防蟻処理時期（通常は5年〜10年持続）
- 薬剤が切れていないかを確認

■ シロアリ対策にかかる費用の目安

工事内容	費用目安
床下点検（無料〜）	0〜1万円（条件により）
防蟻処理（5年保証）	約8万〜15万円（30坪）
駆除工事（被害あり）	約10万〜30万円
被害箇所の補修工事	被害規模により20万〜100万円以上
床下換気扇設置	約10万〜20万円
調湿材敷設	約5万〜15万円