「屋根のメンテナンスを考えているけれど、葺き替えとカバー工法の違いがわからない」
こうした悩みを持つ木造住宅のオーナーは多いです。特に築20年以上の住宅では、屋根材の劣化や雨漏りといったトラブルが出てくるタイミング。適切な工法を選ぶことで、長寿命化・コスト削減・美観維持が可能になります。
この記事では、木造住宅の屋根リフォームを数多く手がけてきた筆者が、葺き替えとカバー工法の違い・メリット・デメリット・費用・選び方のポイントについて詳しく解説します。
■ 屋根リフォームの基本:葺き替えとカバー工法の違い
工法 | 内容 | 適用条件 |
---|---|---|
葺き替え | 既存屋根を撤去して新しい屋根材を施工 | 劣化が激しい場合や下地が傷んでいる場合 |
カバー工法 | 既存屋根の上から新しい屋根材をかぶせる | 既存下地が健全な場合(スレート屋根が主) |
■ 葺き替え工事の特徴
【メリット】
- 下地まで確認・補修できるため、根本的な修繕が可能
- 屋根の重量を軽くできる(瓦→金属など)
- 雨漏り再発リスクが低い
【デメリット】
- 既存屋根材の撤去費用がかかる
- 廃材処分、工期が長くなりがち
- 工事中に雨天が続くとリスクが高い
【費用相場(30坪)】
- 約80万〜150万円(屋根材の種類により変動)
■ カバー工法の特徴
【メリット】
- 廃材が少なく、エコ&低コスト
- 工期が短く、騒音・ホコリが少ない
- 断熱・遮音効果の向上も期待
【デメリット】
- 既存屋根の劣化が激しいと施工不可
- 重量が増えるため、耐震性に注意
- 下地確認が不十分なまま進む可能性あり
【費用相場(30坪)】
- 約60万〜120万円
■ 使用される主な屋根材
屋根材 | 特徴 | 耐久性 |
---|---|---|
ガルバリウム鋼板 | 軽量・高耐久・錆びにくい | 約25〜30年 |
アスファルトシングル | 柔軟・軽量・デザイン性◎ | 約15〜25年 |
スレート(カラーベスト) | 一般的・価格が安い | 約15〜20年 |
和瓦・洋瓦 | 重厚・断熱性◎・重い | 約40〜50年 |
■ 実際のリフォーム事例
【事例①】築28年 木造住宅(東京都)
- 内容:スレート屋根→ガルバリウム鋼板に葺き替え
- 費用:約135万円
- 工期:7日
- 効果:「雨音が静かに。軽くなって地震も安心」
【事例②】築22年 木造住宅(千葉県)
- 内容:既存スレートにカバー工法(金属屋根)
- 費用:約92万円
- 工期:4日
- 効果:「予算内で済み、外観も一新」
【事例③】築30年 平屋住宅(兵庫県)
- 内容:既存瓦撤去→軽量金属屋根に葺き替え
- 費用:約148万円
- 工期:6日
- 効果:「地震後に不安だったが、安心感が増した」
■ 木造住宅に適した工法は?
状況 | 推奨工法 |
---|---|
下地が腐食・雨漏りがある | 葺き替えが確実 |
スレート屋根で劣化が軽度 | カバー工法も検討可 |
瓦屋根から軽くしたい | 葺き替え(軽量金属がおすすめ) |
予算を抑えて見た目を刷新 | カバー工法 |
■ 補助金や火災保険の活用
制度 | 内容 |
---|---|
火災保険 | 風災・雪害による屋根損傷は補償対象になることも |
省エネリフォーム補助金 | 断熱効果がある屋根材使用で補助対象の例あり |
自治体のリフォーム助成金 | 耐震化・省エネに関連する屋根工事が対象に |
■ 一括見積もりで最適な提案を比較しよう
- 屋根材や下地の状態に合わせて最適な工法を提案
- 複数社の見積もりで価格差や施工内容を比較
- 火災保険・補助金の申請代行サポートがある業者も
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まとめ
葺き替えとカバー工法は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、**「屋根の状態・予算・耐震性」**に合わせて選ぶことが重要です。
木造住宅は構造の柔軟性がある一方、屋根の重量や下地の状態に敏感なため、専門業者による診断と丁寧な施工が欠かせません。
まずは現地調査を受け、最適なリフォーム計画を立ててみましょう。