こんにちは。私は住宅リフォーム業界で10年以上、個人オーナー様・不動産会社・管理会社からのご依頼を受けて、多くの賃貸物件の原状回復・バリューアップ工事を手がけてきた元リフォーム専門家です。
今回は、賃貸オーナー様が実際に直面したリフォームのトラブル事例を6つ紹介し、原因と対策をプロの視点から解説します。不動産投資・資産運用としての賃貸リフォームを成功させるために、必ず押さえておきたい内容です。
トラブル1:工事完了後の仕上がりが想定と違った
事例
クロスやフローリングの色が暗すぎて、室内が古びた印象に。写真映えも悪く内見時に印象ダウン。
原因
- 業者に任せきりでカラープランの確認が不十分
- サンプルが小さく、実際の施工面積での印象が想像できていなかった
対策
- クロスや床材はA3サイズ以上のサンプルで現地確認
- 入居ターゲット(単身・ファミリー)に合った色調・質感を意識
- 写真映えする明るく清潔感のある配色を基本とする
✅ プロの視点:”なんとなく”で選んだ内装は空室リスクに直結。見た目と印象は投資回収の起点です。
トラブル2:思わぬ追加工事で原状回復費用が高騰
事例
退去後の原状回復で、下地のカビや設備の腐食が発覚。修繕費が予定の2倍近くに。
原因
- 築年数や過去の修繕履歴を正確に把握していなかった
- 入居中のメンテナンスが不十分で劣化が進行していた
対策
- 定期点検や中長期修繕計画を立てておく
- 劣化箇所は“退去のタイミング”で一気にリニューアルすると効率的
- 状況に応じて、フルスケルトンリフォームの検討も視野に
✅ プロの視点:退去直後は“投資回収のチャンス”。部分修繕で済まそうとすると後で割高になることも。
トラブル3:リフォーム後も空室が埋まらない
事例
高級感のあるリフォームをしたが、家賃に見合った入居者が見つからず空室が長期化。
原因
- 周辺相場やターゲット層を考慮せずに仕様を決定
- 家賃に対して訴求力が不足
対策
- 地域の家賃相場と競合物件を事前に徹底調査
- エリア特性に合った差別化要素(ネット無料、収納力、照明設備など)を導入
- リフォームの方向性は“需要と費用対効果”から逆算
✅ プロの視点:自己満足ではなく“入居者視点”が命。リフォーム=高家賃にはならないと心得ましょう。
トラブル4:工事中に近隣からクレームが入った
事例
騒音や振動、共用部の汚れで隣接住民から管理会社へ苦情が殺到。
原因
- 工事前の近隣挨拶がなかった
- 業者のマナーや現場管理が徹底されていなかった
対策
- 着工前に近隣住戸・管理組合へ丁寧な挨拶と説明
- 業者には清掃・搬出時間・騒音対策など細かく指示
- 管理会社と連携し、クレーム窓口を明確に
✅ プロの視点:近隣トラブルは“物件ブランド”を損ないます。信頼できる業者選びが防波堤になります。
トラブル5:業者選定でコストと品質のバランスが取れなかった
事例
最安値の業者に依頼したところ、仕上がりが雑でトラブル対応も不誠実。結果的に別業者でやり直しに。
原因
- 見積もり内容や施工事例を比較せず、金額だけで判断
対策
- 見積もりは最低でも3社以上から取り、仕様・工法・保証の違いを確認
- 実績・専門性・担当者の対応力も重視して選定
✅ プロの視点:費用削減は重要ですが、“安かろう悪かろう”は賃貸経営に致命傷です。
トラブル6:施工後の不具合に迅速に対応してもらえなかった
事例
引き渡し後に水漏れやクロスの剥がれが発生。業者に連絡するも連絡がつかず、保証対応も曖昧。
原因
- 保証期間・対応体制を事前に確認していなかった
- 契約書に詳細な施工内容や保証範囲が記載されていなかった
対策
- 保証期間・内容は書面で明確に取り決める
- 施工完了後の検査や引渡チェックリストを作成する
- 万が一に備えて対応責任者の連絡先も控えておく
✅ プロの視点:リフォームの“品質”は施工後に試されます。契約書と保証がオーナーの最後の砦です。
まとめ:賃貸リフォームは”収益性”と”信頼性”の両立がカギ
賃貸物件のリフォームは、見た目を良くするだけでなく、入居率・収益性・物件価値に直結する重要な投資です。
後悔しないために押さえておくべきポイント:
- 入居者ニーズと市場相場に合わせた仕様設計
- 原状回復とバリューアップのバランス
- 施工品質・アフター体制がしっかりした業者選び
まずは複数の業者に見積もりと提案を依頼し、費用・品質・対応力を比較することから始めましょう。
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この記事が、賃貸経営の成果を最大化する一助になれば幸いです。