木造住宅で暮らしていると、床や柱、梁などの木部に「黒ずみ」や「シミ」が目立ってくることがあります。これらの変色は美観を損ねるだけでなく、放置するとカビや腐食の原因にもなり、住宅の寿命にも関わってきます。
本記事では、木材の黒ずみやシミが起こる原因、除去と補修の具体的な工法、そして費用の目安を、リフォームの最前線現場で長年勤務してきた筆者の視点から詳しく解説します。
■ 黒ずみ・シミの主な原因
- カビや水分によるもの
湿気の多い場所や水漏れがある箇所では、木材に黒カビが発生しやすく、黒ずみの主因になります。 - 紫外線や酸化による経年劣化
日差しが差し込む窓際などでは、紫外線により木材が酸化し、黒ずんだような色変化を起こすことがあります。 - シロアリや害虫の影響
虫害に遭った木部は内部から変色し、表面にシミのような模様が現れる場合があります。 - 結露・漏水による染み出し
雨漏りや結露によって、木材の内部に水分が染み込み、時間の経過とともに表面にシミが出てくることも。
■ 黒ずみ・シミの除去方法
原因に応じて最適な除去方法を選ぶことが重要です。
① 表面洗浄・漂白処理
- 木材用漂白剤(酸素系または次亜塩素酸系)を使用し、表面のカビや黒ずみを除去
- 専用ブラシでこすり、仕上げに中和処理と水拭きを行う
- DIYでも可能だが、過度な使用で木材を傷めるリスクあり
② 研磨による除去(サンディング)
- 変色した部分をサンドペーパーや電動サンダーで削り取る
- 特に軽度の黒ずみ・日焼けには効果的
- 表面の質感が変わるため、仕上げ塗装が必要になることが多い
③ 木部用カビ除去剤の使用
- カビの再発防止目的で防カビ・除菌効果のある薬剤を併用
- 防腐処理を同時に行うことで長持ちしやすくなる
④ 木材の一部交換
- 被害が広範囲・深部に及ぶ場合は、該当部位の交換が最も確実
- 床や柱などは部分的に入れ替えることが可能
- 美観や強度を保つうえでも有効
■ 補修・再仕上げの工法
黒ずみやシミを除去した後は、補修や仕上げで美観を整える必要があります。
・着色塗装(ステイン仕上げ)
- 木目を活かしつつ、色味を整える
- 既存の木材と色調を合わせやすい
・クリア塗装(ウレタン塗装など)
- 木本来の質感を保ちつつ、表面を保護
- 防水・防汚効果もあり
・ワックス・オイル仕上げ
- ナチュラルな質感を好む方向け
- 定期的なメンテナンスが必要だが、補修はしやすい
■ 実際の施工事例
【事例①】築35年の木造住宅(神奈川県)
- 症状:和室の柱に黒カビによる黒ずみ多数
- 工法:漂白+研磨+クリア塗装
- 費用:約7万円(6本分)
- 工期:1.5日
【事例②】築20年のリビング床(千葉県)
- 症状:日差しによる酸化変色
- 工法:サンディング+ステイン塗装
- 費用:約10万円(8帖分)
- 工期:2日
【事例③】築25年の木造賃貸物件(大阪府)
- 症状:キッチン下の水漏れによる床黒ずみ
- 工法:部分張り替え+漂白処理+ワックス仕上げ
- 費用:約12万円
- 工期:1日
■ 費用の目安
工法・処理内容 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
漂白・洗浄処理 | 3,000〜6,000円 |
サンディング+塗装仕上げ | 5,000〜10,000円 |
木材部分交換(材料込み) | 10,000〜20,000円 |
防カビ・防腐処理 | 2,000〜5,000円 |
※被害の程度・施工面積・地域差により価格は前後します。実地調査と見積もり取得が必須です。
■ 注意点と業者選びのコツ
- 原因特定を怠ると再発リスクが高い(カビ・水漏れ対策必須)
- 木材の風合いを壊さない工法選びが重要(特に古民家・和風住宅)
- リフォーム業者には木部補修・塗装の実績が豊富な専門業者を選ぶ
- 「自然素材仕上げ」などこだわりがある場合は、対応可能か事前確認を
■ 一括見積もりサイトの活用方法
木材の黒ずみやシミ補修は、症状の見極めと正確な工法選定が不可欠です。そのため、複数の業者に現地調査+見積もり依頼をすることが最善です。
一括見積もりサービスを使えば:
- 信頼できる複数業者から同時に見積もりが取れる
- 工法や費用の比較ができる
- 相性の良い業者が選びやすい
筆者自身も「一括見積もりから始まったリフォームで満足度が高かった」というお客様の声を何度も聞いてきました。
まとめ
木材の黒ずみやシミは、見た目だけでなく住宅の耐久性にも関わる重要な症状です。表面だけの問題に見えても、実際には内部にカビや水分が広がっていることもあります。
症状を見つけたら、まずは現地調査を依頼し、適切な対処を行いましょう。DIYで対応できる範囲もありますが、美観や耐久性を求める場合は専門業者の手を借りるのが安心です。
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住宅を長持ちさせるためにも、木部の状態には常に目を配っていきましょう。