少しでもリフォームを安くおさえたと思ったときに、このように考えたことはないでしょうか?
リフォーム会社を介さず、職人に直接依頼することはできないのかしら?
確かに、リフォームを職人に直接依頼すれば、リフォーム会社に依頼するよりも費用を安く抑えることが出来ます。
しかし、職人との直接契約はトラブルの原因になりやすいので、筆者としてはあまりお勧めしていません。
この記事では、リフォームを職人に直接依頼する場合の注意点、およびメリット・デメリットについて解説します。
リフォームを検討している人にとっては役立つ内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
リフォームを職人に直接依頼する場合のメリット
リフォームを職人に直接依頼する際の特徴は上記の通りです。
まずは、メリットについて詳しく解説していきます。
リフォーム金額が安い
なんと言っても最大のメリットは値段が安いことです。
リフォーム会社が中間マージンを搾取することがないので、かなり安くリフォームをすることが出来ます。
内容次第で一概には言えませんが、ざっくり30%程度は安くなることが多いです。
職人と直接コミュニケーションをとることができる
リフォーム会社に依頼する場合は、打合せをする相手は基本的にリフォーム会社の担当者になります。職人に伝えるべき要望であれば、担当者を介して職人に伝わります。
そのため、要望が職人に伝わるまでにタイムラグがあります。また、伝聞のため、少し違ったニュアンスで伝わってしまうことも多々あります。
一方、職人と直接契約をする場合は、直接コミュニケーションをとることができるので、タイムリーに詳細な要望を伝えることが出来ます。
リフォームを職人に直接依頼する場合のデメリット
ここからは、デメリットや注意点について見ていきましょう。
工程管理・品質管理は皆さんの仕事
一般的に、工程管理・品質管理はリフォーム会社の仕事です。
工程管理では、一つ一つの施工順を決めたうえで、現場作業が滞りなく進むように、職人のスケジュールを押さえていきます。
品質管理では、良好な状態で施工ができているか否かをプロの視点でチェックします。パッと見では分からないような細かい部分まで、厳しい検査項目をクリアしているか確認していくのです。
しかし、職人と直接契約をする場合は、これらの管理を全て皆さん自身でこなしていかなければなりません。
また、工程管理・品質管理の前に、そもそも契約内容を職人と打ち合わること自体が難しいかもしれません。
例えば、床の施工内容を決めるだけでも、下記のような事柄について職人と話し合う必要があります。
- 鋼製束から全て取り換えるのか
- 大引き以下の部位は既存のままで、根太より上の部分だけを交換するのか
- 下地合板から上の部分だけを取り換えるのか
- 既存の床を残したまま重ね張りをするのか
- 床のレベル(高さ)はどこを基準にすべきか
- 床下断熱材は入れるのか
- 断熱材を入れる場合、素材はどうするのか
- フローリングはどの程度のランクを使用するか
- 搬出入経路の確保はできるのか
- 室内はどこまで養生するか
- …などなど
これらの内容について、皆さん自身で職人に指示をしなければなりません。
おそらく職人側からある程度の説明や提案はあるでしょうが、一般人がこのような内容を全て理解したうえで契約をするのは中々難しいでしょう。
しかし、内容を理解しないまま、安さに目がくらんで適当に契約をしてしまうと、カモにされてしまう危険性があります。
そのため、職人と直接契約をするのであれば、契約者自身も施工の知識をある程度勉強した方がよいでしょう。
責任の所在が不明確になりやすい
一般的なリフォーム会社と工事契約を結ぶ際には、下記のような事柄について事前に説明があります。
- 施工内容や工事範囲
- 料金
- 保証内容
- 各種トラブル時の責任の所在
- 解約時の取決め
- …
- など
一方で、職人と直接契約をした場合は、このような取決めを事前に説明してくれることは少ないでしょう。また、リフォーム中にトラブルが発生しても、職人が責任を取ってくれるとは限りません。
責任の所在が曖昧な事柄については、全てお客様がリスクを負うことになるかもしれません。
そのため、職人と直接契約を結ぶのであれば、よっぽど信頼できる人間でなければなりません。
職人が得意な分野(ハウスメーカー・工務店・家電量販店との比較)
これまで解説してきた職人の特徴をふまえたうえで、他の業態と比較検討していきましょう。
【業態別】リフォームの得意分野一覧表
業態ごとの得意分野を一覧にしたのが下表です。
ハウス メーカー | 工務店 | リフォーム 専門店 | 家電 量販店 | ホーム センター | 職人 直契約 | |
---|---|---|---|---|---|---|
クロス 張り替え | ||||||
窓の交換 | ||||||
外壁塗装 | ||||||
トイレ 洗面 | ||||||
ユニッバス | ||||||
キッチン | ||||||
水まわり 4点セット | ||||||
間取り 変更 | ||||||
耐震化 | ||||||
リノベ ーション |
職人との直接契約が向いているリフォーム内容は、小規模な施工内容で、なおかつ責任の所在がある程度分かりやすい工事がよいでしょう。
上表に記載の通り、クロスの張り替え程度なら、職人と直接契約しても大きなトラブルにはならないでしょう。
また、リフォーム会社を介さない分、工事費用を安くおさえることができるでしょう。
クロスの張り替え以外にも、下記のような工種ならば職人と直接契約をしてもよいかもしれません。
- 外構工事
- キッチンの部分交換(コンロ、レンジフード、蛇口など)
- 手すりの取り付け
- 畳の表替え
- 内窓の取り付け
- …などなど
なお、トイレ、洗面化粧台、給湯器の交換は職人に直接依頼しても良いのですが、昨今では水まわり設備を低価格で提供してくれるリフォーム会社が増えてきたため、職人に依頼するメリットが薄れてきました。
工事金額やリフォーム後の保証内容をふまえると、筆者としては、家電量販店やホームセンター、小規模リフォームの専門店(ニッカホーム、交換できるくんなど)をおすすめしています。
リフォーム業者選びで失敗しないコツ
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
リフォーム業者選びで失敗しないためには、大きく分けて2つのポイントがあります。
リフォーム業態ごとの得意分野を知る
これまで解説してきた通り、世間では様々な業態のリフォーム会社があります。
そして、業態ごとでリフォームの得意分野が全く違うのです。
職人が得意なリフォーム分野もあれば、一方でリフォーム専門店や家電量販店に依頼した方がよいリフォーム内容もあります。
なお、業態ごとの特徴やメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照下さい。
(参考記事:【完全版】リフォーム会社の選び方・見積もりの取り方)
リフォームをする際には、各リフォーム業態の特徴を理解したうえで会社選びを進めていくようにしましょう。
複数の会社に相見積もりを取る
リフォームで失敗しないために一番重要なポイントが、複数の会社に相見積もりを取ることです。
もし職人と直接契約をする場合でも、必ず他社に相見積もりをとり、比較検討することが非常に重要です。
しかし、いざ相見積もりを取ろうとしても、次にような疑問を感じる人が多いのではないでしょうか。
複数の会社に見積もりを依頼することが重要だという事は分かったけど、肝心のリフォーム会社はどうやって探せばいいの?
複数のリフォーム会社に声をかけるにしても、自力で探すのはかなり大変です。また、気になるリフォーム会社を見つけても、それが信頼のできる優良会社かどうかを判別するのは非常に難しいです。
そんな時に頼りになるのが一括見積もり比較サイトです。一括見積もりサイトには、以下のようなメリットがあります。
- 時間と手間を節約できる
- 厳選された優良会社を紹介してくれる
- 自分たちに適したリフォーム会社を見つけることができる
見積もりサイトの選び方について詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照下さい。
【参考】:【最新版】リフォーム一括見積もり比較サイトのおすすめランキング!
上記記事でも詳しく解説していますが、リフォームの内容によって、おすすめの見積もりサイトも違います。
各見積もりサイトの特徴は下記の通りです。
- 登録業者数No.1のリフォーム見積もりサイト。(約1500社)
- リフォーム業者はリショップナビが選出してくれる。(最大5社)
- ただし、大型リフォームに対応できないリフォーム業者も多く含まれているため、比較的小規模なリフォームに向いているサイト。
- 目安としては予算150万円以下くらいなら、リショップナビが最適。
- 登録業者数はリショップナビに次いで業界2位。(約1200社)
- 業者への審査と指導・育成に定業があり大型リフォームに対応できる業者が多い。
- リフォーム業者は自分たちで選ぶことができる。(最大8社)
- おおむね150万円以上くらいのリフォームなら、ホームプロが最適。
- 登録業者数は約460社とあまり多くないが、大型リフォームにも対応できる業者が多い。
- タウンライフリフォーム側でリフォーム業者を選出してくれるので、自分で業者を選ぶことができない人にはおすすめのサイト。
■ヌリカエ
- 塗装リフォーム専門の見積もりサイト。
- ヌリカエの他にも塗装リフォーム専門の見積もりサイトはあるが、登録業者数や施工実績などにおいて圧倒的No.1なので、塗装リフォームならヌリカエを利用するのが最適。
- 塗装以外のリフォームも検討している人は、リショップナビやホームプロなどの総合リフォーム向けの見積もりサイトを利用した方がよい。
そして、業態別のリフォーム得意分野と合わせて、リフォーム内容ごとにおすすめの見積もりサイトをまとめたものが下表です。
ハウス メーカー | 工務店 | リフォーム 専門店 | 家電 量販店 | ホーム センター | 職人 直契約 | おすすめの 一括見積もりサイト | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クロス 張り替え | リショップナビ | ||||||
窓の交換 | リショップナビ | ||||||
外壁塗装 | ヌリカエ | ||||||
トイレ 洗面 | リショップナビ | ||||||
ユニット バス | リショップナビ | ||||||
キッチン | リショップナビ | ||||||
水まわり 4点セット | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
間取り 変更 | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
耐震化 | ホームプロ or タウンライフリフォーム | ||||||
リノベ ーション | ホームプロ or タウンライフリフォーム |
本気でリフォームを検討されているのであれば、これらの見積もりサイトを上手に利用して、悔いのないリフォーム計画を立てていきましょう。
最後に
リフォーム成功のカギを握るのは業者選びです。
しかし、リフォーム業界には悪質な業者が多数存在しており、不当に高い金額を支払ってしまったり、品質の低い工事をされたりと、各地でトラブルが多発しています。
そのようなリスクを避けるためにも、リフォーム初心者の方は複数社に相見積もりを取ることが重要です。
「残念なリフォームで終わらせない」そして「大切なお金を失わない」ためにも、見積もりサイトを利用して、広い視野でリフォームを検討していきましょう。
みなさんのリフォームがよりよいものになるように祈っています!