「冬は隙間風で寒い」「夏はエアコンが全然効かない」「光熱費が高い」……
こうした住まいの悩みの多くは、住宅の“気密性”の低さに起因しています。特に木造住宅では、経年劣化や施工方法の違いにより隙間からの空気の出入りが多くなる傾向があります。
この記事では、断熱・気密工事に多数関わってきた筆者が、家全体の気密性を向上させるリフォームの内容、費用、注意点、施工事例を詳しく解説します。
■ 気密性が低いとどうなる?
問題点 | 具体的な影響 |
---|---|
隙間風が入る | 冬は寒く、夏は外気の熱が入ってくる |
冷暖房効率が悪い | エアコンの効きが悪く光熱費がかさむ |
結露・カビの原因に | 室内外の温度差で湿気が溜まりやすくなる |
外の音がうるさい | 気密性が低いと遮音性も下がる |
→ 気密性を高めることで、快適・省エネ・静音性の向上が期待できます。
■ 気密リフォームの主な内容
工事内容 | 詳細 |
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窓の交換・内窓設置 | 単板ガラス→複層ガラス、サッシの気密性能アップ |
気密シート施工 | 壁や天井裏に気密層を設け、空気の流入出を遮断 |
断熱材の再施工 | グラスウール→吹付け断熱など、気密性の高い素材へ交換 |
換気口・コンセント周りの処理 | 小さな隙間にも専用部材で気密処理 |
床下・天井裏の気流止め | 外気が入り込む空間を遮断 |
■ 気密性を高める工事の費用相場
工事内容 | 費用目安 |
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内窓設置(1ヶ所) | 約5万〜10万円 |
窓交換(複層ガラス) | 約10万〜20万円/ヶ所 |
吹付け断熱(壁・天井 100㎡) | 約70万〜120万円 |
気密シート+気密処理(壁100㎡) | 約40万〜80万円 |
床下の気流止め+断熱補強 | 約20万〜50万円 |
※工事範囲・建物の構造により大きく異なります。
■ 実際の施工事例
【事例①】築28年 木造2階建て(長野県)
- 内容:窓6ヶ所を内窓へ+床下の気密補強
- 工期:3日
- 費用:約58万円
- 効果:「冬場の寒さが大幅に軽減。エアコンの効きがよくなった」
【事例②】築35年 木造住宅(北海道)
- 内容:天井と壁へ気密シート+ウレタン吹付断熱
- 工期:5日
- 費用:約110万円
- 効果:「ヒートショックが減少し、家全体が均一に暖かくなった」
【事例③】築22年 木造住宅(神奈川県)
- 内容:複層ガラス窓へ全面交換(8ヶ所)+換気口処理
- 工期:4日
- 費用:約85万円
- 効果:「外の騒音がほとんど聞こえなくなり、快適」
■ 工事の順序と注意点
- 気密診断を受ける(C値測定)
- 隙間面積を測定し、改善箇所を明確に
- 優先順位の設定
- 窓→天井→壁→床の順に対策するのが基本
- 断熱とセットで検討する
- 気密性が高くなると、断熱材の効果も高まる
- 換気計画も見直す
- 気密が上がると自然換気がしづらくなるため、計画換気が必要
■ 補助金・助成制度の活用
制度名 | 内容 |
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先進的窓リノベ事業 | 内窓・高性能窓交換で最大200万円まで補助(2025年継続予定) |
断熱・気密改修支援補助金 | 省エネ性能向上を目的とした気密施工が対象(自治体により異なる) |
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まとめ
木造住宅でも、適切なリフォームで十分に気密性を高めることが可能です。
気密性の向上は単に「暖かさ・涼しさ」のためだけでなく、住まいの健康・光熱費削減・建物の長寿命化にも大きく貢献します。
まずは信頼できる業者に相談し、現状を診断した上で最適なプランを検討してみましょう。