リフォーム会社と言えば、昔は工務店くらいしかありませんでした。しかし、近年では様々な業態の会社がリフォーム事業を手掛けています。
ハウスメーカーや工務店、リフォーム専門店はもちろん、家電量販店やホームセンターなどの小売店、ガス会社や水道業者などのインフラ会社まで、様々な業態の会社がリフォーム業界に参入しています。
そして、実は業態ごとで、リフォームの得意分野が全く違います。ハウスメーカーが得意なリフォーム分野もあれば、逆に家電量販店の得意な分野もあるのです。
この記事では、家電量販店のリフォームについて、その特徴やメリット・デメリットを解説するとともに、おすすめの家電系リフォーム会社についてもお伝えしていきます。
リフォームを検討している方にとっては非常に役立つ内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
家電量販店リフォームの特徴・メリット
家電量販店等の小売系リフォーム会社の特徴は上記の通りです。
まずは、家電量販店リフォームの特徴・メリットについて詳しく解説していきます。
水まわりリフォームの値段が安い
家電量販店では、商品をメーカーから大量仕入れすることにより、小規模店舗よりも安い価格で商品を仕入れることが出来ます。
家電製品はもちろんですが、実は水まわり設備でも同じことが可能なのです。
そのため、工務店などの小規模リフォーム会社よりも、安い価格で水まわりリフォームを提供することができるのです。
水まわり設備の交換リフォームと言えば、これまでは工務店の独壇場でしたが、昨今では家電量販店がリフォーム事業に参入するようになり、低価格な水まわりリフォームを提供するようになったことで、工務店のシェアは激減しています。
施工実績が豊富
家電量販店に対して、リフォーム会社としてのイメージを持っていない人が多いと思いますが、実は施工実績も豊富なのです。
例えば、下の画像は家電リフォーム業界2位のエディオンが公表している施工実績です。
なんと年間13万件以上のリフォームを手掛けているそうです。
リフォーム工事は新築工事以上に現場の経験値が重要となる業界です。受注件数が多いということは、会社としてのノウハウも非常に豊富であると言えるでしょう。
保証体制&アフターサービスが充実している
【参考】保証体制&アフターサービス(エディオンHPより)
一般的なリフォーム会社では、水まわり設備の保証は2年間のメーカー保証しか付きません。しかし、家電量販店では、10年の設備保証がを付帯している会社がほとんどです。
1~2年のメーカー保証で対応できるのは、せいぜい初期不良だけです。水まわり設備の不具合は、5~10年以降に発生することが多いので、10年間の長期保証は意外と重要なポイントなのです。
また、家電量販店では24時間受付のコールセンターを常設していることが多いので、水まわりの急なトラブルでも電話で相談することができます。
家電量販店リフォームの注意点・デメリット
さて、ここからは家電量販店リフォームの注意点・デメリットについて確認していきましょう。
大型リフォームの実績がない
家電量販店のリフォーム部門では、大型リフォームの経験がほとんどありません。
あくまでも家電量販店の強みは、仕入れ力を活かした水まわり設備の交換リフォームであり、大工工事を伴うようなリフォームは不得意です。
そのため、間取り変更工事や、家全体をリノベーションする工事の場合は、家電量販店ではなくハウスメーカーや工務店に依頼するのが良いでしょう。
建築的な提案力が弱い
家電量販店は、「リフォームのプロ」というよりも、「設備交換のプロ」という印象が強いです。
ハウスメーカーや工務店と違って、レベルの高い建物調査はできませんし、劣化診断の結果を踏まえた将来的なリフォーム計画を一緒に考えてくれる訳ではありません。
建築的なリフォーム提案を受けられないと、最悪の場合は下記のような事態に陥る可能性もあります。
【Aさんの場合】
- 90万円をかけて、ユニットバスの交換リフォームをした。
- 半年後、浴室付近からシロアリが見つかった。
- 被害状況から考えると、どうやら交換リフォームをする以前からシロアリが住み着いていたと思われる。
- 浴室周辺の躯体にも被害が及んでいたので、ユニットバス周辺を解体して、木材の入れ替えや防蟻処理を実施した。
- 90万円かけたリフォーム代金が水の泡となってしまった。
【Bさんの場合】
- 50万円をかけて、トイレと洗面化粧台の交換リフォームをした。
- 1年半後、足腰が悪くなってきたので、1階だけで生活が完結できるような間取りにリフォームしたいと考えた。
- リフォーム会社が頑張ってプランを練ったが、理想の間取りを実現するためには、どうしてもトイレと洗面所の位置を変更しなければならないことが分かった。
- 50万円かけたトイレと洗面所を泣く泣く壊して、間取りを変更した。
いずれの場合も、無計画な部品交換リフォームにより、無駄な工事をしてしまいました。最初の段階でリフォームのプロに相談をしていれば、おそらく失敗することは無かったでしょう。
リフォームを検討するときには、どうしても目の前のことだけに意識が向いてしまいます。しかし、リフォームでは「修繕リフォーム」と「改良リフォーム」の両方を同時に検討しなければなりません。
築15年以上のお家をリフォームする場合は、家電量販店だけに依頼するのではなく、他のリフォーム会社にも相談したうえで、じっくりとリフォームを検討するのがよいでしょう。
家電量販店が得意な分野(ハウスメーカーや工務店との比較)
これまで解説してきた家電量販店リフォームの特徴をふまえたうえで、他の業態と比較検討していきましょう。
【業態別】リフォームの得意分野一覧表
業態ごとの得意分野を一覧にしたのが下表です。
ハウス メーカー | 工務店 | リフォーム 専門店 | 家電 量販店 | ホーム センター | 職人 直契約 | |
---|---|---|---|---|---|---|
クロス 張り替え | ||||||
窓の交換 | ||||||
外壁塗装 | ||||||
トイレ 洗面 | ||||||
ユニッバス | ||||||
キッチン | ||||||
水まわり 4点セット | ||||||
間取り 変更 | ||||||
耐震化 | ||||||
リノベ ーション |
家電量販店は、比較的規模の小さい工事が得意分野です。
特に、水まわり設備(キッチン・浴室・洗面・トイレなど)は、大量一括購入により安値で商品を仕入れることができるので、小規模なリフォーム会社よりも優位性があります。
一方で、大規模なリフォームは経験値が少なく、あまり得意ではありません。
リフォームをする際には、各リフォーム業態の特徴を理解したうえで会社選びを進めていくようにしましょう。
リフォーム実績がある家電量販店3選
リフォーム業態ごとの得意・不得意が理解できたところで、ここからは、リフォームに定評のある家電量販店について、具体的に確認していきましょう。
リフォームランキング
下表は、2023年度の住宅リフォーム売上げランキングです。
1位 | 積水ハウスグループ | 1659.0 億円 |
2位 | 大和ハウスグループ | 1548.2 億円 |
3位 | 住友不動産グループ (新築そっくりさん) | 1167.0 億円 |
4位 | 積水化学工業グループ | 973.0 億円 |
5位 | ヤマダホールディングス | 836.1 億円 |
6位 | ミサワホームグループ | 700.4 億円 |
7位 | 住友林業グループ | 661.1 億円 |
8位 | エディオン | 619.7 億円 |
参考:住宅リフォーム売上げランキング2023(リフォーム産業新聞)
ご覧の通り、有名ハウスメーカーを抑えて、ヤマダホールディングス(ヤマダデンキ)とエディオンが上位にランクインしています。
特に、トップのヤマダデンキはミサワホームや住友林業などの大手ハウスメーカーを抑えて上位に入賞しており、前期比15%の増益となっています。
業績がこれだけ急成長しているということは、それだけ世の中に認められているという証でもあります。
また、今回の調査では、この2社しかランクインしていませんでしたが、リフォーム売上高を公開していない家電量販店もあるため、実際にはさらに多くの会社が上位に入っている可能性もあります。
さて、下表はオリコンが実施したリフォーム顧客満足度調査の結果です。
1位 | ジョーシンまごころリフォーム | 76.8点 |
2位 | PanasonicリフォームClub | 76.3点 |
3位 | 三井のリフォーム | 76.0点 |
参考:戸建てリフォームランキング2022(オリコン公式HPより)
オリコンの調査によれば、戸建てリフォームの顧客満足度調査において全国No.1になったのは、家電量販店のジョーシンです。
リフォーム売上高は不明ですが、2年連続でトップになっていることから、実力の高さが伺えます。
以上の結果から、現時点でのおすすめリフォーム会社(家電量販店編)は下記の3社だと言えます。
- ヤマダデンキ
- エディオン
- ジョーシン電機
トップ3社の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
会社選びで失敗しないコツ
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
会社選びで失敗しないためには、大きく分けて2つのポイントがあります。
リフォーム業態ごとの得意分野を知る
これまで解説してきた通り、世間では様々な業態のリフォーム会社があります。
そして、業態ごとでリフォームの得意分野が全く違うのです。
家電量販店が得意なリフォーム分野もあれば、一方でハウスメーカーや工務店に依頼した方がよいリフォーム内容もあります。
なお、業態ごとの特徴やメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照下さい。
(参考記事:【完全版】リフォーム会社の選び方・見積もりの取り方)
リフォームをする際には、各リフォーム業態の特徴を理解したうえで会社選びを進めていくようにしましょう。
複数の会社に相見積もりを取る
リフォームで失敗しないために一番重要なポイントが、複数の会社に相見積もりを取ることです。
しかし、いざ相見積もりを取ろうとしても、次にような疑問を感じる人が多いのではないでしょうか。
複数の会社に見積もりを依頼することが重要だという事は分かったけど、肝心のリフォーム会社はどうやって探せばいいの?
複数のリフォーム会社に声をかけるにしても、自力で探すのはかなり大変です。また、気になるリフォーム会社を見つけても、それが信頼のできる優良会社かどうかを判別するのは非常に難しいです。
そんな時に頼りになるのが一括見積もり比較サイトです。一括見積もりサイトには、以下のようなメリットがあります。
- 時間と手間を節約できる
- 厳選された優良会社を紹介してくれる
- 自分たちに適したリフォーム会社を見つけることができる
見積もりサイトの選び方について詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご参照下さい。
【参考】:【最新版】リフォーム一括見積もり比較サイトのおすすめランキング!
上記記事でも詳しく解説していますが、リフォームの内容によって、おすすめの見積もりサイトも違います。
各見積もりサイトの特徴は下記の通りです。
- 登録業者数No.1のリフォーム見積もりサイト。(約1500社)
- リフォーム業者はリショップナビが選出してくれる。(最大5社)
- ただし、大型リフォームに対応できないリフォーム業者も多く含まれているため、比較的小規模なリフォームに向いているサイト。
- 目安としては予算150万円以下くらいなら、リショップナビが最適。
- 登録業者数はリショップナビに次いで業界2位。(約1200社)
- 業者への審査と指導・育成に定業があり大型リフォームに対応できる業者が多い。
- リフォーム業者は自分たちで選ぶことができる。(最大8社)
- おおむね150万円以上くらいのリフォームなら、ホームプロが最適。
- 登録業者数は約460社とあまり多くないが、大型リフォームにも対応できる業者が多い。
- タウンライフリフォーム側でリフォーム業者を選出してくれるので、自分で業者を選ぶことができない人にはおすすめのサイト。
■ヌリカエ
- 塗装リフォーム専門の見積もりサイト。
- ヌリカエの他にも塗装リフォーム専門の見積もりサイトはあるが、登録業者数や施工実績などにおいて圧倒的No.1なので、塗装リフォームならヌリカエを利用するのが最適。
- 塗装以外のリフォームも検討している人は、リショップナビやホームプロなどの総合リフォーム向けの見積もりサイトを利用した方がよい。
そして、業態別のリフォーム得意分野と合わせて、リフォーム内容ごとにおすすめの見積もりサイトをまとめたものが下表です。
ハウス メーカー | 工務店 | リフォーム 専門店 | 家電 量販店 | ホーム センター | 職人 直契約 | おすすめの 一括見積もりサイト | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クロス 張り替え | リショップナビ | ||||||
窓の交換 | リショップナビ | ||||||
外壁塗装 | ヌリカエ | ||||||
トイレ 洗面 | リショップナビ | ||||||
ユニット バス | リショップナビ | ||||||
キッチン | リショップナビ | ||||||
水まわり 4点セット | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
間取り 変更 | ホームプロ or リショップナビ | ||||||
耐震化 | ホームプロ or タウンライフリフォーム | ||||||
リノベ ーション | ホームプロ or タウンライフリフォーム |
本気でリフォームを検討されているのであれば、これらの見積もりサイトを上手に利用して、悔いのないリフォーム計画を立てていきましょう。
最後に
リフォーム成功のカギを握るのは業者選びです。
しかし、リフォーム業界には悪質な業者が多数存在しており、不当に高い金額を支払ってしまったり、品質の低い工事をされたりと、各地でトラブルが多発しています。
そのようなリスクを避けるためにも、リフォーム初心者の方は複数社に相見積もりを取ることが重要です。
「残念なリフォームで終わらせない」そして「大切なお金を失わない」ためにも、見積もりサイトを利用して、広い視野でリフォームを検討していきましょう。
みなさんのリフォームがよりよいものになるように祈っています!