「年齢とともに階段の昇り降りが怖くなった」「小さな子どもや高齢の両親が転倒しないか心配」
こうした声を背景に、階段への手すり設置リフォームの需要が高まっています。特に木造住宅は構造的な柔軟性があり、後付けの手すり設置にも適しているというメリットがあります。
この記事では、リフォームの専門家として数多くの階段手すり施工を行ってきた筆者が、設置費用、法律の基準、安全性を高める設置ポイント、施工事例までをわかりやすく解説します。
■ なぜ階段に手すりが必要なのか?
- 高齢者の家庭内事故の約3割は階段での転倒
- 足腰の衰えにより、バランスが取りにくくなる
- 小さな子どもや妊婦の転落防止にも有効
- 災害時の避難でも重要な安全導線になる
■ 法律上の基準(建築基準法・福祉住環境整備)
【建築基準法(住宅性能表示制度)】
- 新築住宅では階段に手すり設置が原則義務化(2000年改正)
- 既存住宅でも、リフォーム時に「安全配慮義務」が求められる
【福祉住環境整備基準】
- 手すりの高さは75〜85cmが標準(手すり中心)
- 直径は3.2〜4cmが握りやすいとされる
- 階段の上下には「水平部分(端部手すり)」を設けることが望ましい
■ 手すり設置のタイプと費用
タイプ | 特徴 | 費用相場(直線階段) |
---|---|---|
壁付け型手すり | 壁に直接設置する基本タイプ | 約2万〜5万円 |
スタンド型手すり | 壁がない場合や両側設置に使用 | 約4万〜10万円 |
階段全体(曲がり有) | コーナー継手・支柱の追加が必要 | 約8万〜20万円 |
※素材や仕上げ(木製、樹脂巻き、金属)で価格差あり
■ 実際の施工事例
【事例①】築30年 木造住宅(東京都)
- 内容:直線階段に木製手すり(壁付け)を設置
- 工期:半日
- 費用:約3.5万円
- ポイント:「祖母が一人で上り下りできるようになった」
【事例②】築25年 木造住宅(埼玉県)
- 内容:折れ階段にL字型手すり+上下水平手すり
- 工期:1日
- 費用:約8.8万円
- ポイント:「見た目にも自然で、子どもにも安心」
【事例③】築35年 木造2階建て(大阪府)
- 内容:階段右側にスタンド型手すり設置+LED足元照明付き
- 工期:2日
- 費用:約12.5万円
- ポイント:「夜間の安全性も大きく向上」
■ 安全性を高める設置ポイント
- 手すりの高さは身長に合わせて調整可能にする
- 滑りにくく、握りやすい形状を選ぶ(丸型や楕円型)
- 途中で切れないように、連続設置が基本
- 階段の踏面・蹴上と組み合わせて設計することが望ましい
- 夜間対応には足元灯やセンサー照明を検討
■ 補助金・介護保険の活用
制度名 | 内容 |
---|---|
介護保険住宅改修 | 上限20万円/9割補助あり(要支援・要介護認定者対象) |
自治体の高齢者住宅助成 | 地域によって5〜30万円程度(条件あり) |
※申請にはケアマネージャーの意見書・事前申請が必要
■ DIYは可能?それとも業者依頼?
- 簡単な壁付け直線手すりならDIYも可(下地確認が必要)
- コーナー部分や構造の補強が必要な場合は業者が安心
- 滑り止め・下地補強・美観を含めた施工品質が重要
■ 一括見積もりで最適な業者を選ぶ
手すり工事は小規模ながらも、安全性と耐久性に直結する工事です。
- 介護経験がある業者なら使用者に合わせた提案も可能
- 補助金申請に詳しい施工会社がスムーズ
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まとめ
木造住宅の階段における手すり設置は、家族全員の安全を守るための大切なリフォームです。
使用者の体格や生活動線に合わせた適切な設計と、安全性に配慮した施工が重要です。費用面や助成制度も活用し、後悔のない工事を実現しましょう。