木造住宅に長年住んでいると、ふとした瞬間に「床が沈む」「歩くとギシギシ音が鳴る」といった症状に気づくことがあります。これらの床の沈みやきしみは、住まいの老朽化のサインであると同時に、快適な生活の妨げにもなります。
この記事では、リフォーム業界に10年以上携わってきた筆者の視点から、床の沈み・きしみが起こる原因とその対策、費用相場、実際の施工事例までを徹底的に解説します。
■ 床の沈み・きしみの主な原因
- 根太(ねだ)や大引(おおびき)の劣化
床の構造を支える根太や大引が湿気・シロアリなどで劣化すると、床の沈みが起きます。 - 床板と下地材の接合不良
接着剤の劣化や釘の緩みなどにより、床板がズレてきしみ音を出すケースがあります。 - 床下の湿気・換気不良
通気が悪い床下では木材が常に湿っており、腐食やカビの温床になります。 - 施工ミス・設計不良
築浅でも症状がある場合、施工時の不備や下地材の選定ミスが原因の場合も。
■ 放置するとどうなる?
- 歩行中のストレスやつまずき事故の原因
- 建物の構造自体に影響を与える恐れ
- 修繕費が高額化しやすくなる
筆者が現場で対応した例では、最初は1カ所だけだった床の沈みが半年後には家全体に広がっていたというケースもありました。症状に気づいたら早めの対処が肝心です。
■ 床沈み・きしみ対策のリフォーム方法
対策は症状の原因に応じて異なります。以下に主な工法を挙げます。
① 下地補強工事
- 根太・大引を新しい木材で補強または交換
- 床板の下にベニヤ板などで厚みを加えて補強
- 部分的な修理で済む場合は比較的安価に済む
② 床の全面張り替え
- 床材と下地材をすべて撤去して新設
- 症状が広範囲に及ぶ場合に最適
- 断熱材や防音材も一緒に施工可能
③ 床下調湿・換気システムの導入
- 床下に調湿材や換気扇を設置し、湿気による劣化を防止
- 再発防止策としておすすめ
④ 断熱材の追加施工
- 床リフォーム時に断熱材を追加することで、快適性アップと光熱費削減
■ 費用の目安
工事内容 | 費用相場(6帖あたり) |
---|---|
下地補強のみ | 約5万〜10万円 |
床材の張り替え | 約10万〜20万円 |
床下全体の補強・交換 | 約20万〜40万円 |
調湿・換気システム導入 | 約10万〜30万円 |
※使用する床材や住宅の構造、施工地域により差があります。現地調査と見積もりは必須です。
■ リフォーム事例紹介
【事例①】築30年の戸建て住宅(東京都)
- 症状:リビングの床中央が大きく沈む
- 原因:根太と大引の腐食、シロアリ被害あり
- 工事内容:床下全面補強+床材張り替え+防蟻処理
- 費用:約38万円
- 工期:4日
【事例②】築15年の木造アパート(埼玉県)
- 症状:2階床のギシギシ音、クレーム対応
- 原因:床板のズレ、接着剤の劣化
- 工事内容:部分補修と床材の張り替え
- 費用:約12万円
- 工期:1日
【事例③】築25年の中古住宅(兵庫県)
- 症状:廊下全体の沈みと軋み
- 原因:床下の湿気、換気不足
- 工事内容:下地補強+換気ファン導入+防カビ塗装
- 費用:約28万円
- 工期:3日
■ 業者選びのポイント
- 木造住宅の床補修に精通した実績のある業者を選ぶ
- 事前に床下までしっかり点検してくれるか確認
- アフターサービスや保証制度があるかもチェック
筆者の経験では、リフォーム後1年以内に再発する例の多くは、原因の見極め不足や部分的な対処にとどまっていたケースです。複数業者に見積もり・相談することで、最適なプランが見つかります。
■ 一括見積もりサービスの活用
床の沈み・きしみ対策は、症状の大小を問わず「原因特定」が肝心。そのためにも、複数業者からの現地調査と見積もりが非常に有効です。
一括見積もりサイトを活用すれば:
- 複数の優良業者と一気に比較可能
- 無料で現地調査を受けられるケース多数
- 費用と工事内容を冷静に見比べられる
筆者がかつて現場で提案していた際も、「一括見積もりで比較した業者に依頼して本当に良かった」というお客様の声を多く耳にしました。
まとめ
床の沈みやきしみは、住まいの快適性・安全性に直結する重要な問題です。放置すればするほど修繕が大掛かりになり、費用も増加します。異変に気づいたら、まずは専門家に相談し、状態を把握することが第一歩です。
信頼できる業者選びの第一歩として、一括見積もりサービスの利用も有効です。ぜひ活用して、安心・納得のリフォームを実現してください。
👉全国優良リフォーム会社への一括見積もりなら【リショップナビ】
木造住宅での暮らしを、より快適に、安全にしていくための一助となれば幸いです。