冬の寒さ対策として人気の床暖房。足元からじんわりと暖まる快適さは、一度体験すると手放せない魅力があります。
木造住宅のリフォームにおいても、床暖房の導入は非常に需要が高くなってきていますが、電気式と温水式のどちらを選ぶべきか、費用や性能の違いは何かといった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、床暖房施工に精通した筆者が、それぞれの仕組み・メリット・デメリット・費用・ランニングコスト・施工事例を比較しながら解説します。
■ 電気式と温水式の違い
種類 | 特徴 | 熱源 | 向いているケース |
---|---|---|---|
電気式床暖房 | ヒーター線やパネルを床下に敷設 | 電気 | 小規模空間、初期費用を抑えたい場合 |
温水式床暖房 | ボイラー等で温めたお湯を床下配管に流す | ガス、灯油、ヒートポンプ | リビングなど広範囲、戸建てに最適 |
■ 初期費用(設置費+材料費)の比較
面積 | 電気式 | 温水式 |
---|---|---|
6畳(約10㎡) | 約15万〜25万円 | 約25万〜40万円 |
12畳(約20㎡) | 約25万〜40万円 | 約40万〜70万円 |
20畳(約33㎡) | 約40万〜65万円 | 約70万〜120万円 |
※床材費用・電気工事・給湯設備工事を含む場合あり
■ ランニングコストの比較(月額目安)
使用時間 | 電気式 | 温水式(ガス給湯) |
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1日6時間×30日 | 約4,500円〜7,000円 | 約3,000円〜5,000円 |
- 電気式は初期費用は安いが電気代がやや高め
- 温水式は給湯器の熱効率が高いほどコスト低減可能
■ メリットとデメリット
比較項目 | 電気式 | 温水式 |
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初期費用 | 安い | 高い |
工事のしやすさ | 比較的簡単 | 配管・ボイラー設置が必要 |
立ち上がり時間 | やや早い | やや遅い(10〜20分程度) |
均一な暖かさ | 部分ムラが出やすい | 広範囲で均一に暖まる |
メンテナンス | ほぼ不要 | 年1回程度の点検が必要 |
適した場所 | 洗面室・トイレなど小空間 | リビング・ダイニングなど広い空間 |
■ 実際の施工事例
【事例①】築20年 木造住宅(東京都)
- 内容:6畳リビングに電気式床暖房導入+フローリング貼替
- 工期:2日
- 費用:約18万円
- 効果:「電源ONですぐ暖かくなり、エアコンの補助として最適」
【事例②】築25年 木造住宅(大阪府)
- 内容:20畳LDKに温水式床暖房導入(ガス給湯器連動)
- 工期:4日
- 費用:約95万円
- 効果:「じんわり全体が暖かく、冬場の快適さが段違い」
■ 施工時の注意点
- 床材によっては熱効率が悪くなる(クッションフロアなど)
- 床の高さ調整や段差対応が必要なケースもあり
- 電気容量の不足やガス配管の延長など追加工事が発生することも
■ コストを抑えるポイント
- リフォーム時期に合わせて一緒に施工する(床貼り替えなど)
- 施工範囲を限定する(部屋全体ではなく部分使用)
- 補助金や自治体のエコ改修支援を活用する
■ 補助金制度の例(2025年現在)
名称 | 内容 |
---|---|
こどもエコすまい支援事業 | 床暖房導入を含む省エネ改修に最大20万円補助 |
自治体独自のエコ住宅改修補助 | 温水式システムや高効率給湯器導入に補助あり |
まとめ
電気式と温水式、どちらの床暖房も一長一短がありますが、住宅の構造・使用する部屋の広さ・予算・光熱費を含めたランニングコストなどを総合的に判断することが重要です。
まずは信頼できる業者に相談し、現地調査と無料見積もりを受けてみましょう。