築年数の経過した木造住宅では、「階段のきしみが気になる」「滑りやすくて危ない」「古臭さを感じる」といったお悩みを持つ方が増えています。とはいえ、階段の全面リフォームは高額になりがち。そこで注目されているのが、DIYによる木製階段のリフォームです。
この記事では、リフォーム業界で木造住宅を数多く手がけてきた筆者が、DIYでできる木製階段リフォームの方法、必要な道具、費用の目安、注意点などを実例と共にご紹介します。
■ DIYでできる階段リフォームの範囲
DIYで行える階段リフォームには、以下のような内容があります。
- 踏み板のリメイク(上貼り)
- クッションフロア、フローリング材、木目調シートの貼り付け
- 蹴込み板の塗装・シート貼り
- 白や木目色に統一して明るく清潔感のある印象に
- 手すりの取り付け or 交換
- 市販の手すりセットを使用し、下地にしっかり固定
- 滑り止め加工の追加
- ノンスリップシート、滑り止めテープの取り付け
- 階段下の収納スペースの設置(簡易棚やボックス)
■ DIYリフォームに必要な道具・材料
工具・資材 | 用途 |
---|---|
電動ドライバー | 手すりや板の固定 |
カッター・のこぎり | 材料のカット |
クッションフロア/フローリング材 | 踏み板の上貼り |
両面テープ/接着剤 | 材料の固定用 |
滑り止めテープ/金具 | 安全対策 |
塗料(蹴込み板用) | リメイク用 |
マスキングテープ | 塗装時の養生用 |
※DIY初心者は「階段リフォーム用セット商品」から始めると安心です。
■ DIY階段リフォームの費用相場(6〜12段)
工事項目 | DIY費用目安 |
---|---|
踏み板上貼り(フロア材) | 約8,000円〜20,000円 |
蹴込み板塗装/シート | 約2,000円〜6,000円 |
手すり取り付け | 約5,000円〜15,000円 |
滑り止め追加 | 約1,000円〜3,000円 |
合計 | 約1.5万〜4万円 |
工務店依頼では10万円〜30万円程度かかるケースが多いため、コスト面ではDIYに大きな優位性があります。
■ 実際のDIY事例
【事例①】築28年 木造住宅(神奈川県)
- 内容:階段の踏み板にフローリング材貼り付け
- 費用:約12,000円(接着剤・材含む)
- 所要時間:1日(2人作業)
- 感想:「古さが一気に消えて、家全体の印象が明るくなった」
【事例②】築22年 戸建て(大阪府)
- 内容:蹴込み板を白に塗装+滑り止め追加
- 費用:約4,000円
- 所要時間:半日
- 感想:「段差が見やすくなり、小さな子どもも安心して登れるように」
■ DIYでの注意点
- 下地の状態確認が最重要
- 腐食やたわみがある場合は補強・専門業者の点検が必要
- 滑りやすい素材は避けること
- 見た目だけで選ぶと危険!表面摩擦も意識する
- 接着・固定はしっかりと
- 踏み板や手すりがぐらつくと転倒リスクに直結
- 建築基準法の確認
- 貸家や共同住宅では手すり・階段寸法の規制がある場合も
- 高所作業・脚立の使用時は安全に
- 無理な姿勢での作業は厳禁。必ず2人以上で行うと安心
■ DIYが難しいケースは?
- 踏み板が著しく劣化・腐食している
- 階段の傾きや軋みがひどい(構造的な問題)
- 増築や大規模リフォームの一環としての施工
- バリアフリー対応(段差解消・スロープ化など)
このような場合は、無理せず専門業者に相談することが重要です。
■ 業者依頼時の費用感とメリット
工事内容 | 費用目安 |
---|---|
階段全面張り替え | 約20万〜50万円 |
手すり・段鼻の交換 | 約5万〜15万円 |
踏み板の補強+仕上げ | 約10万〜25万円 |
- プロの施工で耐久性・安全性が高い
- バリアフリーや高齢者対応の提案も可能
- 保証やアフターサービスが受けられる
■ 一括見積もりサイトを使って比較検討しよう
「DIYで対応できない」「安全性やデザインにこだわりたい」という場合は、複数業者からの提案を比較するのが得策です。
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まとめ
DIYによる木製階段リフォームは、コストを抑えながら住まいの印象を刷新できる魅力的な手段です。
ただし、階段は家族全員が毎日使う場所。安全性に不安がある場合や劣化が進んでいる場合には、無理せずプロに依頼しましょう。
まずは自分の家の階段の状態をチェックし、DIYか業者依頼かを見極めることが成功の鍵です。