「天井がたわんでいる」「天井の一部が剥がれそう」「小さな地震で落ちた」……。
木造住宅に住んでいると、築年数の経過とともに天井に異常が現れることがあります。特に築20年以上の住宅では、天井の凹みや落下のリスクが徐々に高まる傾向にあります。
この記事では、木造住宅リフォームの専門家として、天井の凹み・剥がれ・落下の原因、補修方法、費用相場、耐震性への影響について詳しく解説します。
■ 天井が凹む・落下する原因とは?
原因 | 詳細 |
---|---|
経年劣化 | 天井材や下地(野縁、吊り木)の老朽化によりたわみが発生 |
湿気や雨漏り | 天井裏に湿気や水分が溜まり、素材が重くなって変形・剥がれの原因に |
地震の振動 | 小さな揺れの繰り返しで下地が緩み、徐々にずれる |
天井裏の荷重 | 天井裏に物が載せられている(収納利用など)ケースで垂れ下がることも |
筆者の経験では、「雨漏りを放置していたために天井の一部が崩落した」事例もありました。天井は見えにくいからこそ早期点検が重要です。
■ 補修方法と内容
【軽微な凹み・剥がれ】
- 原因:クロスの浮き・下地の一部変形
- 方法:クロスの張り替え、部分的なパテ埋めと塗装
- 工期:1日程度
【天井ボードのたわみ・剥がれ】
- 原因:下地木材の緩み、ボードの固定不良
- 方法:天井の一部を剥がし、下地補強+ボード張り替え
- 工期:1〜2日
【天井全体の張り替え】
- 原因:広範囲の老朽化・雨漏り・地震被害など
- 方法:既存天井の撤去、野縁補修、新規ボード+クロス施工
- 工期:3〜5日
【耐震天井への改修(吊り天井含む)】
- 方法:下地を金属製フレームで補強、耐震吊り金具を使用
- 特徴:大地震でも落下しにくい構造に
■ 補修費用の相場(6畳〜8畳)
補修内容 | 費用目安 |
---|---|
クロス張替えのみ | 約2万〜5万円 |
部分張替え(下地補修含む) | 約5万〜12万円 |
天井全体の張り替え | 約10万〜20万円 |
吊り天井の耐震補強 | 約20万〜40万円 |
雨漏り原因調査+補修 | 約5万〜15万円 |
※足場設置が必要な吹き抜け天井などは追加費用あり
■ 実際の施工事例
【事例①】築30年 木造2階建て(埼玉県)
- 症状:天井にたわみ、クロスが剥がれかけていた
- 内容:部分的なボード張替え+クロス施工
- 費用:約9万円
- 工期:1.5日
【事例②】築25年 平屋住宅(岐阜県)
- 症状:台風後の雨漏りで天井中央が落下
- 内容:天井全面張替え+雨漏り修繕
- 費用:約26万円
- 工期:3日
【事例③】築28年 高天井のリビング(神奈川県)
- 症状:震度5の地震で天井に亀裂が走った
- 内容:耐震吊り天井工法で補強+意匠天井化
- 費用:約42万円
- 工期:5日
■ 耐震性の視点での注意点
- 古い「吊り天井(天井板が吊られている構造)」は落下リスクが高い
- 軽量化+補強金具の使用で「落ちない天井」へ改修可能
- 壁との接合部が緩んでいる場合、天井だけでなく耐震補強の検討も必要
■ DIYでの補修は可能?
- クロスの簡単な補修・張り替え程度は可能
- しかし下地の確認や安全性の確保は専門技術が必要
- 天井裏に断熱材や電気配線がある場合、誤って傷つけるリスクも
■ 一括見積もりサイトでの比較が安心
天井補修は、症状の程度により必要な工事が大きく異なります。
- 複数社からの診断・提案を受けることで、過不足のない適正施工が可能
- 保証付きの施工や、耐震補強に詳しい業者も選べる
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まとめ
天井の凹みや落下は、見た目の問題だけでなく、安全性にも関わる重大なサインです。早めに点検・補修を行うことで、二次被害や高額なリフォームを防ぐことができます。
まずは症状の確認と、信頼できる業者への相談から始めましょう。