こんにちは。私は住宅リフォーム業界で10年以上、多種多様なリフォーム案件に携わってきた専門家です。多くの施主様と向き合う中で、リフォームにおける“予算オーバー”のトラブルは決して珍しいことではありません。むしろ、「計画通りに収まる方が少数派」と言えるほど。
今回は、実際の現場で起きた予算オーバーの事例5つを紹介し、それぞれの原因と対策をわかりやすく解説します。これからリフォームを検討している方にとって、無駄な出費を防ぐためのヒントになれば幸いです。
事例1:解体後の“想定外”で工事が追加
ケース概要
築40年の戸建てで水回りを移設するフルリフォーム。解体後に床下の腐食、配管の老朽化、シロアリ被害が見つかり、補強・交換工事が必要に。
予算オーバー額:約100万円
原因
- 解体前のインスペクション(住宅診断)未実施
- 老朽化リスクを見込んだ予備費を確保していなかった
防止策
- スケルトンリフォーム時は必ず事前調査を実施
- 総予算の10〜20%は“予備費”として確保しておく
✅ プロの視点:築古物件は“解体して初めて分かることだらけ”。想定外は起こる前提で動きましょう。
事例2:設備のグレードアップが止まらなかった
ケース概要
最初はシンプルな水回りリフォームの予定が、「せっかくだから」とグレードアップを繰り返し、予算がどんどん増加。
- トイレ → タンクレストイレ+自動開閉
- キッチン → 食洗機+ガラストップコンロ+高級収納
- 浴室 → ミストサウナ+浴室テレビ
予算オーバー額:約70万円
原因
- 明確な優先順位がないまま、ショールームで判断してしまった
防止策
- 「譲れない機能」「あれば便利」「不要」の3分類で希望を整理
- 事前にグレード別の価格帯を調査しておく
✅ プロの視点:ショールームは“誘惑の宝庫”。判断基準を明確に持っていないと、リフォーム貧乏になります。
事例3:追加工事の見積もりが曖昧だった
ケース概要
間取り変更に伴い、構造補強・換気ダクト移設などの追加工事が発生。契約時の見積書には含まれておらず、別途請求に。
予算オーバー額:約50万円
原因
- 契約前の設計・仕様が曖昧だった
- 工事範囲や追加の可能性について業者と明確にすり合わせていなかった
防止策
- 契約前に「やること・やらないこと」をリスト化
- 仕様・設備・仕上げ内容は文書で明記
- 変更が出たら、その都度“見積もり変更書”を取り交わす
✅ プロの視点:“言った・言わない”はお金のトラブルのもと。文書と記録で守りましょう。
事例4:ローン限度額を超えて支払いに苦しんだ
ケース概要
住宅ローンでのリフォーム資金を組んだが、工事中に仕様変更や追加工事が重なり、ローン上限を超えて自己資金を急遽用意することに。
予算オーバー額:約80万円
原因
- 予算設計時に“変動要素”を考慮していなかった
- ローン申請時に最大金額で組んでいなかった
防止策
- 見積もり段階で“想定上限額”をシミュレーション
- 住宅ローンは「余裕枠あり」で申請する
- 金融機関と早めに相談する
✅ プロの視点:ローンは“通すこと”がゴールではありません。“使い方と変動対応力”がカギです。
事例5:外装工事を後回しにして再工事が発生
ケース概要
外壁や屋根の塗装・防水は後回しにし、内装重視のリフォームを実施。2年後に雨漏りが発生し、追加工事で割高に。
予算オーバー額:約90万円(再工事+補修)
原因
- “目に見える内装”を優先して外装の老朽化を軽視
防止策
- 外装・防水は家の“生命線”。優先順位を見誤らない
- 屋根・外壁の劣化診断を事前に実施
- トータル計画で“先延ばしコスト”を考慮
✅ プロの視点:“目に見える満足”と“住まいの寿命”は別物。後回しの代償は高くつきます。
まとめ:リフォーム成功の鍵は“計画”と“想定力”にあり
予算オーバーを防ぐためには:
- 優先順位と金額のバランスを明確に
- 追加工事や劣化リスクを織り込んだ事前調査
- 業者とのすり合わせは書面で明確に
- 見積もり・ローン計画には“余裕”をもたせる
まずは複数の業者に見積もりと提案を依頼し、工事内容と金額の妥当性を確認しましょう。
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この記事が、あなたのリフォーム成功への第一歩となれば幸いです。