近年、DIY(Do It Yourself)の人気が高まる中で、「家のメンテナンスも自分でやってみたい」という方が増えています。ホームセンターやネット通販で資材や道具も簡単に手に入る時代、ちょっとした修理なら自分でやってしまいたくなるものです。
しかし、木造住宅の補修においては、DIYがむしろ危険を招くケースも少なくありません。本記事では、リフォーム現場で10年以上の経験を持つ筆者が、DIYでできること・やってはいけないこと、そしてプロに任せるべき理由について詳しく解説します。
■ なぜ木造補修のDIYは危険なのか?
1. 構造に関わる部分は専門知識が必要
床下や柱、梁などの補修は、建物の構造に関わる部分です。安易な補修は荷重バランスを崩し、地震などの災害時に倒壊リスクを高めてしまうことがあります。
2. 見た目は直っても中は悪化していることも
例えば床の沈みをベニヤ板で隠しただけでは、根本原因の湿気やシロアリの被害が進行し、後々の工事費が膨れ上がるケースも。
3. 保険・保証が効かなくなる可能性
火災保険や住宅瑕疵担保責任保険などは、資格を持った施工業者による工事でないと適用外になることが多いです。
4. 使用する材料・道具の誤り
DIYでは手に入りやすい材料に偏りがちで、適切な材質や施工方法を選べないことが多々あります。
■ DIYで「やっても良い」木造住宅のメンテナンス
DIYを完全に否定するわけではありません。以下のような作業は、比較的リスクが少なく、自分で行える範囲です。
- 外壁の簡単な洗浄や塗装(2階以上はNG)
- 軒下の掃除や雨樋の落ち葉除去
- 床のきしみ音防止に潤滑剤を塗る程度の処置
- 壁紙の貼り替えや室内の塗装
ただし、これらも「道具の使い方」「安全対策」には十分注意が必要です。
■ プロ施工が必要な補修例
以下のような内容は、プロの施工業者に任せるべきです。
● 床の沈み・たわみの補修
→ 原因は床下の根太や大引の劣化であることが多く、構造補強が必要。
● 屋根の補修・雨漏り対応
→ 誤った施工で雨水が侵入し、建物全体の劣化を招くことも。
● 外壁のひび割れ補修
→ 放置や誤った補修で雨漏り・断熱性能低下につながる。
● 柱や梁の腐食補修
→ 構造体に関わるため、施工には耐震性の確認が不可欠。
● シロアリ駆除と防蟻処理
→ 専用薬剤と専門的知識が必要で、DIYでは対応が困難。
■ 現場で見た「DIYの失敗事例」
【事例①】床が沈むからと板を重ね張り→構造がさらに劣化
あるお客様は、床の沈みが気になるためベニヤ板を重ねてDIYで補強。しかし実際には大引が腐食しており、床下の通気も塞いでしまったことでカビ・腐敗が進行。結果的に全面リフォームで80万円以上の出費に。
【事例②】雨漏り箇所にコーキング処理→逆効果に
屋根の隙間から雨漏りしていたため、DIYで防水コーキングを実施。だが施工が甘く、雨水が内部に回り込み、天井まで浸水。天井ボード・断熱材の交換を余儀なくされる。
【事例③】防腐剤を間違えた使用でシロアリ発生
市販の防腐スプレーを床下に噴霧したが、対象となる薬剤が不適切でシロアリを逆に引き寄せてしまう結果に。再施工と被害部分の補修で40万円以上の費用が発生。
■ プロに依頼するメリットとは?
- 原因の正確な診断:目に見えない劣化や構造の弱点までチェック
- 最適な工法と材料選定:耐久性・コスト・施工期間を最適化
- 保証付きの施工:万一の不具合にも対応
- 長期的な住まいの安全と価値維持
筆者の経験上、**「最初からプロに任せておけばよかった」**という声が圧倒的に多いです。目先のコストを抑えた結果、将来的に倍以上の費用がかかってしまう事例は数多くあります。
■ 一括見積もりサービスで信頼できる業者を選ぶ
「プロに頼みたいけど、どこに依頼すれば?」という方には、一括見積もりサービスの活用がおすすめです。
- 複数業者を比較して適正価格がわかる
- 優良業者のみが登録しており、口コミ・実績も確認可能
- 現地調査から丁寧に対応
筆者も現場で、こうしたサービス経由で依頼された案件を数多く担当してきました。「余計な営業がなく、安心して選べた」というお客様の満足度も高いです。
まとめ
木造住宅の補修においては、DIYが有効な場面もある一方で、安全性や耐久性、将来的なコスト面を考えるとプロ施工が必要な場面が多いのが実情です。
構造に関わる補修や、原因の診断が必要な場合は、迷わず専門業者に相談してください。長く快適に住まうための投資だと考えれば、決して無駄な支出ではありません。
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安全で快適な木造住宅ライフを送るためにも、正しい知識と選択を持ちましょう。