木造住宅に限らず、建物の外壁には経年劣化によって「ヒビ割れ」が発生することがあります。これを放置すると、雨水の浸入や構造体の劣化に繋がり、最悪の場合は大規模なリフォームが必要になることも。この記事では、外壁のヒビを早期に発見し、DIYで補修するためのポイントと価格、さらには失敗しないための注意点について、リフォーム業界で10年以上現場を経験してきた筆者の視点から詳しく解説します。
■ 外壁のヒビ割れ、放置するとどうなる?
一見すると小さなヒビでも、実は建物にとっては大きなダメージの入り口です。
- 雨水の侵入による内部劣化
- 鉄筋コンクリート住宅の場合、鉄筋のサビ
- 木造住宅では柱・土台の腐食リスク
- 断熱性能の低下
- 外観の美観低下
特に木造住宅では、水の侵入が構造体に与える影響が大きく、劣化が進行すれば部分的なリフォームでは済まなくなることもあります。早期発見・早期対応がとても重要です。
■ ヒビ割れの種類と見分け方
外壁のヒビにはいくつかの種類があり、それぞれ補修方法も異なります。
種類 | 特徴 | 原因 | DIY可能度 |
---|---|---|---|
ヘアクラック | 幅0.3mm以下の細いヒビ | 経年・乾燥収縮 | ◎(可能) |
構造クラック | 幅0.3mm以上、深さがある | 地震・地盤沈下 | △(専門推奨) |
開口部ヒビ | 窓・扉まわりのヒビ | 揺れ・熱伸縮 | ◎(軽度なら可能) |
複数方向の亀裂 | 十字や斜めに入る | 構造的な歪み | ×(要専門家) |
■ DIYでできるヒビ補修の流れ
軽度のヘアクラックや小規模なヒビ割れなら、DIYでの補修も可能です。以下の手順で行いましょう。
① ヒビ割れ箇所の洗浄
- ホコリや汚れをブラシで落とし、雑巾などで拭く
- カビがある場合は防カビ剤の使用も有効
② 補修材の選定
- シーリング材(コーキング):伸縮性あり、外壁の動きに追従
- 外壁補修パテ:浅いヒビに適しており、仕上がりがきれい
③ 補修作業
- ヘラやコーキングガンで補修材を塗布
- 平らに均す(ヘラは濡らすと仕上げやすい)
- 乾燥時間は気温・湿度により24時間前後
④ 仕上げ塗装
- 同じ色の外壁塗料を上塗り(タッチアップ)
- 防水性・美観のために塗装は省略しない
■ DIY補修にかかる価格の目安
項目 | 費用相場 |
---|---|
コーキング材(1本) | 約500〜1,000円 |
補修用パテ | 約1,000〜1,500円 |
ヘラ・コーキングガン | 約1,000〜2,000円 |
タッチアップ用塗料 | 約2,000〜4,000円 |
合計 | 約5,000〜8,000円程度 |
1〜2カ所の軽微なヒビ補修であれば、1万円以内で対応できることが多いです。
■ 専門家に依頼すべきケース
以下のような症状がある場合は、DIYよりも専門業者への依頼を強くおすすめします。
- 幅0.5mm以上のヒビ(内部にまで達している可能性)
- 斜めや十字に走るクラック
- 築年数30年以上の外壁劣化が進行している家
- 何度補修しても再発するヒビ
- 壁の内側(室内側)にも影響が出ている
筆者が過去に対応した事例では、DIYで何度も補修された外壁に実は構造クラックが含まれており、後に大規模な外壁改修が必要になったケースがありました。
■ 実例紹介:DIY補修成功・失敗の例
【成功例】築20年の木造住宅(千葉県)
- 症状:玄関横にヘアクラックが数カ所
- 処置:コーキング+同色塗装
- 費用:約6,000円
- 結果:3年経っても再発なし、美観も良好
【失敗例】築35年の住宅(岐阜県)
- 症状:外壁に斜めに走る深いヒビ
- DIY内容:市販パテで埋めただけ
- 数ヶ月後:雨漏り発生、下地材腐食→外壁全張り替えへ
- 費用:120万円(業者による全面改修)
■ 補修後のメンテナンス
DIYで補修したあとも、定期的にチェックしましょう。
- 雨のあとにヒビの拡がりがないか
- 色あせ・剥がれが起きていないか
- 年1回の目視点検を習慣に
また、外壁全体の塗装は10〜15年を目安に行うのが理想です。
■ 一括見積もりサービスのすすめ
DIYで対応できるヒビ補修も、症状が重い場合は「信頼できる業者の診断」が不可欠です。
そんなときは、リフォーム一括見積もりサイトの活用が便利です。
- 無料で複数業者の見積もり・診断が受けられる
- 相場や工法の違いを比較できる
- しつこい営業を避けたい人向けの非公開型もあり
筆者の現場経験でも、「最初はDIYで直していたが、信頼できる業者に相談したら根本原因が見つかり、結果的に安く済んだ」という事例が数多くありました。
まとめ
外壁のヒビは、建物の健康を守るための“重要なサイン”です。軽度であればDIYでも対応可能ですが、原因を見極める力が必要です。症状に合った正しい補修を行い、住宅の寿命を延ばしましょう。
「これはDIYで済むのか?」「業者に依頼すべきか?」迷ったら、まずはプロの診断を受けることをおすすめします。
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住宅の外壁を、これからも安全・快適に保つための第一歩として、この記事が役立てば幸いです。